ぽっこりお腹を改善|大腰筋と腹横筋のファシアリリース

女性にとって美容と痩身(ダイエット)は永遠のテーマ?

毎年、さまざまな方法が雑誌やテレビで紹介されますが、どれだけ効果があるのだろう。ダイエットもイベント化していますが、やはり運動と食事は基本であるに違いない。ここでは、姿勢からぽっこりお腹を考えてみましょう。

大腰筋の働き

大腰筋は姿勢を決める大きな要因の一つです。長期にわたる大腰筋の短縮は、鼠径部に大きな影響を与え骨盤を前方へ押し下げてしまいます。同時に腹直筋の正常なトーンをゆるめてしまいます。これらに共通した姿勢は前弯と太鼓(ぽっこり)腹です。

下腹部は脂肪がつきやすく、痩せにくい部分です。飲んだ後に締めのラーメンなど食べているとすぐにポッコリでることも多いのではないでしょうか。なかなかダイエットしにくいお腹の贅肉が気になるなら、一度、自分の姿勢を見直してみましょう。

お腹を突きだしたような姿勢に見られる特徴としては、肋骨のアーチのくぼみと鼠径部の固定です。それに連動して膝の軽度屈曲位、脊柱の後弯、肩甲骨の挙上、頭部を前方に押し出したような姿勢などがあげられます。

平らなベッドや床に上向きに寝た(仰臥位)時に、上体が反ってしまい腰と床の間の隙間が大きい状態、膝が伸びきらずに外側に足が倒れてしまう状態(つま先が外側をむいている)などは疑わしいかもしれません。

腹横筋の働き

腹部は前後左右、いくつもの筋肉で覆われています。臍周囲の断面を見てみましょう。表層から、外腹斜筋、内腹斜筋、腹横筋と位置しています。腹横筋は腹部を横に走行しており、腹骨盤腔を圧迫しますので、コルセット筋とも呼ばれています。

腹直筋だけ鍛えても、腹部がスッキリ見えないのは腹横筋が原因かもしれません。

図1.腹部断面図

ファシアリリースでぽっこりお腹を改善

姿勢を保持するためには、大腰筋だけではなく、多くの姿勢筋が働いています。ハムストリングス(大腿部の後ろ側にある筋肉)や下腿三頭筋(アキレス腱のある部分、ふくらはぎ)、臀筋、腸脛靭帯、仙腸関節や胸腰筋膜、コアユニットなどの緊張をリリースすることで姿勢が改善されることもよく見られることです。効果を持続させるためには、普段の生活スタイルを見直すことも必要です。

大腰筋や腹部周囲の短縮を改善(ファシアリリース)することで、姿勢がよくなり、ぽっこりお腹がスッキリ見えるようになります。大腰筋の短縮は慢性的な肩こりや頭痛、腰痛の一因となっている可能性もありそうです。

ファシアリリースで滑走性の改善を行うと同時に定期的な運動も欠かせません。

腹横筋の筋トレ

代表的なものを簡単に紹介します。Youtubeにいろいろとアップされていますので、参考にされるとよいでしょう。

プランク

図6.プランク

腕立て伏せを行うように、伏臥位になります。
手掌の代わりに、前腕と肘で体を支えます。
つま先を立て、体がまっすぐになるように姿勢を保持します。
腕とつま先で体重を支えている状態です。
臀部が上がらないように、注意しましょう。
この姿勢を30秒キープします。
慣れてきたら、徐々に時間を長くしたり、回数を増やします。

ドローイング

図7.ドローイングのイメージ(首は上げなくてもよい)

仰臥位で横になり、膝を立てます。
腰が浮かないように、骨盤が前傾にならないように調整します。
腰の下にタオルをひいてもよいでしょう。
大きく息を吸います。
次に、大きく息を吐きだし、腹部が凹んでいる状態を確認します。
腹部が硬くなった状態を30秒ほど、保持します。

※2015/12/9「鍼灸鶏肋ブログ」の記事を加筆修正しています。