子宝の灸|家庭でできる妊活のための温灸法

妊活のための温灸法

不妊(未妊)治療を受けられている方には、鍼灸の施術と併行して、ご家庭でもお灸をしていただくように指導しています。お灸にもさまざまなのがありますが、棒灸による温灸法は直接皮膚につけずに行う方法で、たいへん気持ちのいいものです。

ここでは、代表的なツボを紹介します。温灸は10分~20分ぐらい施術すると成書にはありますが、5分ぐらいから始めるとよいでしょう。すべてのツボにすえるのは大変ですので、2,3穴選んで施灸します。月経の期間はお休みします。「継続は力なり」ですので、根気よく続けてくださいね。

文中に3寸とか1寸半とかでてきますが、後半にツボの取り方を紹介します。

お腹にある代表的なツボ(関元・中極・子宮穴)

  1. 臍(神闕)
  2. 関元
  3. 中極
  4. 子宮穴

関元
【位置】前正中線(任脈)上で、臍の下3寸のところ
【効果】寒邪を取り除き、臓腑の働きを活性化し、腎の働きを高めます。
月経不順、月経痛、無月経、帯下、不正子宮出血、子宮下垂・子宮脱、産後の悪露不止など

中極
【位置】前正中線(任脈)上で、臍の下4寸のところ
【効果】寒邪を取り除き、腎の働きを高め、元気を保ちます。
不正子宮出血、月経不順、帯下、子宮下垂・子宮脱、産後の悪露不止など

子宮穴
【位置】中極の両側3寸のところ
【効果】名前の通り子宮の機能を高めます。
生理痛、子宮筋腫、子宮下垂、子宮出血、習慣性流産など

腰背部にある代表的なツボ(腎兪)


腎兪
【位置】第2腰椎棘突起下の両側1寸半のところ
【効果】腎虚は不妊症の本質になりますので、補腎の代表的なツボである腎兪を補うことは重要です。「腎兪主諸虚、令人有子」『医学入門』
月経不順、帯下、腰部・膝部の無力感など、腰痛治療の代表的なツボでもあります。

下肢にある代表的なツボ(三陰交)

三陰交
【位置】内踝の上3寸、脛骨内側面の後縁のところ
【効果】婦人科疾患の体表的なツボです。「婦人月水不調、久不成孕」『医学入門』
月経不順、不正子宮出血、帯下、子宮下垂、無月経、月経痛、難産など。逆子の時にも至陰穴と共に使用します。

取穴の仕方

取穴の方法は定量的でななく、定位法によります。施術を受けられる人の手指を基準とします。第2指から第5指までの幅を3寸として考えます。