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坐骨神経痛の鍼灸療法

坐骨神経痛とは

腰痛イメージ臀部から大腿後面、下腿にかけて生じる痛みを総称して坐骨神経痛と呼んでいます。つまり、坐骨神経痛とは病名ではなく、主として坐骨神経の通過領域に生じる症状を意味しています。

坐骨神経は第4、5腰神経および、第1、2、3仙骨神経から構成されており、腰仙骨神経叢から分かれて大坐骨孔から骨盤腔を抜けて大腿後面に出て下降します。そして、大腿後面で総腓骨神経と脛骨神経に分枝して下腿後面と側面に分布します。

坐骨神経痛の原因疾患にはさまざまなものがあります。代表的なものは椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、梨状筋症候群などでしょう。

腰椎椎間板ヘルニア

20才~40歳ぐらいの若年層によく見られ、男性に多い傾向にあります。比較的急性に発症し、片側性で、好発部位はL4/L5、L5/S1間が多いとされています。

腰椎椎間板ヘルニアヘルニアとは脱出とか破裂の意味がありますので、文字どうり椎間板線維輪から髄核が飛び出したり膨隆した状態をいいます。椎間板は線維輪と中心部に位置しているゼリー状の髄核からできています。中心にクリーム(髄核)が詰まったバームクーヘン(線維輪)をイメージすると分かりやすいと思います。

椎間板の後外方には神経が通っていますので、脱出した髄核が神経を圧迫することで坐骨神経痛が生じると従来は考えられていました。20年前の学校の授業でもこのような説明だったように記憶しています。しかし、神経は圧迫すると麻痺なんですよね、、。

現在、腰椎椎間板ヘルニアは保存療法で髄核が退縮して自然治癒する傾向にあるとされています。昔ほど、医療機関でも手術はされなくなりました。しかし、馬尾症候群による排尿障害や下肢の麻痺には注意が必要です。緊急手術が必要なこともありますので、疑わしい時は早急に医療機関を受診しましょう。

脊柱管狭窄症

「腰部脊柱管狭窄症の鍼灸」

梨状筋症候群

梨状筋は大殿筋の深層で骨盤の後方にあり、梨のよう形状をした筋肉です。大ざっぱですが、おしりに力を入れると凹む所の奥の方に位置しています。ちょうど坐骨神経が梨状筋下孔を通るのですが、この部分で圧迫されると臀部痛や下肢にかけての放散痛があるとされています。

約10~20%の人は坐骨神経が梨状筋の中を通過しているとの報告があります。このような場合は、しばらくしゃがんだ状態から立ち上がろうとすると臀部から下肢にかけてしびれた感じになることがあるかもしれません。

坐骨神経痛に対する鍼灸療法

解剖学的アプローチ

医療機関では消炎鎮痛薬や湿布、神経根周囲や椎弓間への硬膜外ブロック(ステロイド剤や局所麻酔薬)、また、物理療法(リハビリ)では牽引やホットパック、低周波治療器などを受けられるのでなないでしょうか。これらの治療でなかなか効果がないと手術を勧められることがあるかもしれません。

あまり症状が改善されないという方や寒い時期や梅雨時になると坐骨神経痛様の症状が起こるという方など、坐骨神経痛を主訴とする症状で来院される方も多くいらっしゃいます。また、手術を勧められたが、したくないのでどうにかならないかと相談されることもあります。

さて、はたして細い鍼を刺しただけで、注射をしても痛みが改善しなかったのに本当に効果があるのでしょうか?

素朴な疑問として、当然ですよね。

もし、鍼を刺して痛みが軽減することが可能であるとするならば、坐骨神経痛の原因は腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症などの骨の変形や変性が問題ではないということになります。ここは重要ポイントです。

それでは痛みはなぜ生じるかといえば、その原因の多くは筋膜性疼痛症候群(MPS)ではないかと推測しています。おそらく、痛みが軽減、消失してもレントゲンを撮れば、腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症に変化はないでしょう。つまり、痛みの原因は骨ではなく筋や筋膜(ファシア)であると考えています。

坐骨神経痛の原因はさまざまですので、症状がすべて鍼灸で治るということではありませんが、もし、鍼灸を受けたことがないのであれば試してみる価値は十分あると思います。

ブログの記事も参考にして下さい。(SSL化に伴い作業修正中)

伝統医学的アプローチ

レントゲンなどない古代中国ではどのように考えていたのでしょうか。

坐骨神経痛は「痺症」という範疇になります。紀元前に書かれた鍼灸医学の古典書『黄帝内経』には次のように記載されています。

膀胱足太陽之脉。(中略)是動則病・・・脊痛、腰似折、髀不可以曲、膕如結、踹如裂、是爲踝厥。

このように、膀胱足太陽之脉の流れが滞ると、背中から腰部、股関節、大腿部、腓腹筋部、足関節部にかけて痛みが生じるようになると説明があります。何らかの原因によって筋脈を損傷し、気血が滞った状態、つまり「不通則痛」ということができます。

弁証論治

腰痛の項でその証型について書きましたが、痺症も同じような分類になります。寒湿阻滞(かんしつそたい)、気滞血オ(きたいけつお)、腎虚(じんきょ)正気不足などの証型が決まれば、基本穴を中心に施術を行ってい行きます。

伝統医学的な方法にはさまざまなものがあります。次に、経絡の流れを考慮した、循経取穴について説明しましょう。

循経取穴

足太陽膀胱経の流注

左図の赤いラインが足の太陽膀胱経、青いラインが足の少陽胆経となります。赤いラインの流れは、坐骨神経と重なる部分も多くみられます。

経絡は気の流れるルートと考えられていますが、経絡は血管であるという専門家もいます。経絡や経穴をすべて現代科学的に説明することは困難であると思いますが、血管と神経は伴走するように体を巡っていますので、あながち的外れな指摘ではありません。また、古典文献を読むと血管と読み取れるものもあります。個人的には不可知論的に経絡は一つのシステムという扱いでよいと思います。

この経絡上には、重要な腧穴(つぼ)がたくさんありますので、坐骨神経痛の施術では太陽膀胱経や少陽胆経にある反応のあるツボをよく使用します。

参考文献:『医学大辞典 第20版』南山堂 、『鍼灸療法技術ガイドⅡ』文光堂

(2017/2/21)

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