カラオケで歌い過ぎてしゃがれ声|嗄声(させい)に対する鍼灸的アプローチ

嗄声(しゃがれ声)は、声のかすれや異常な変化を指します。これは一時的なものから、より深刻な医療状態を示唆するものまでさまざまな原因で起こります。

過度の声の使用

大声で話したり、長時間話し続けることで声帯に負担がかかり、嗄声を引き起こすことがあります。司会業、歌手、声優、俳優、教師など声の仕事をされている方、カラオケの歌い過ぎ、交通整理やイベント会場でのお仕事、スポーツ観戦(応援)など。

上気道感染

風邪やインフルエンザなどの呼吸器系の感染が原因で嗄声が発生することがあります。喉頭の炎症は、声帯の粘膜に充血や浮腫を起こし、声帯がうまく閉じなくなります。

アレルギー反応

花粉症などアレルギーによる喉の腫れや炎症も、嗄声の一因になります。

喫煙

喫煙は声帯に悪影響を与え、声帯に慢性的な炎症を起こします。

声帯のポリープや結節

声帯にできる小さなしこりやポリープが、声の変化を引き起こすことがあります。時々、歌手の方の声帯ポリープ手術の記事を目にしますが、声帯を酷使すると、慢性的な炎症が生じ、ポリープの原因になると考えられています。

GERD(胃食道逆流症)

胃酸が食道に逆流し、喉を刺激することで嗄声を引き起こすことがあります。

神経障害や筋肉の問題

声帯を制御する神経や筋肉の障害が原因で嗄声が起こることがあります。

【臂臑の灸】

嗄声といえば深谷灸法の臂臑の多壮灸が有名です。

浪曲師、謡曲師やハスキーな歌手などは時代を感じさせますが、「臂臑」のツボは自分でも灸をすえることができますので試してみてください。

臂臑の位置は、上腕の三角筋の前下縁と上腕骨の交差するところになります。曲池穴と肩ぐう穴を結ぶ線上で、曲池穴から上に向かって7寸のところになります。

【嗓子哑】

中医学では嗄声のことを「嗓子哑」といいます。咽喉腫痛などを準拠として施術を行います。弁証や配穴は成書にたくさん記載があるので、割愛します。

安静・休息

声帯を休めることが重要です。話すことを控える、小声で話す、筆談をするなど。

水分摂取

十分な水分を摂ることで喉を潤し、症状を緩和します。

加湿器の使用

乾燥した空気は喉に悪影響を及ぼすため、加湿器を使用して湿度を保つことが効果的です。

禁煙

喫煙は嗄声の原因となるため、禁煙が推奨されます。

アルコールやカフェインの摂取制限

これらは脱水を引き起こし、喉に悪影響を与える可能性があります。

適切な食事

辛い食べ物や酸性の高い食べ物は避け、喉に優しい食事を心がけましょう。

嗄声は多くの場合、一時的なもので自然に改善しますが、2週間以上続く場合や、喉の痛み、呼吸困難、血痰など他の症状が伴う場合は、専門医に相談することが重要です。