テレワーク疲れはデスクチェアが一因かもしれません

コロナ感染防止策による作業環境の変化

コロナ感染防止策として、職種によってはテレワークが定着しつつあるようです。在宅勤務が始まり数か月になりますが、働き方についてさまざまな意見が聞かれます。

  • 通勤をしなくなって、運動不足になった
  • 一日家にいると間食が増え、体重が増えた
  • オンオフの切り替えが難しく、かえって仕事時間が増えた
  • ダイニングテーブルで仕事をしているので、首や肩が凝る
  • 子供や家族の世話があり、仕事がはかどらない→シェアオフィスを使用
  • ストレスで心身共に体調不良、、

環境の変化や仕事のリズムに慣れるまでは、もう少し時間がかかるかもしれません。仕事の大半を座位でパソコン作業をされている方は、机や椅子、キーボート、ディスプレイなどの作業環境によっても疲労度が変わってきます。ワークチェアやモニターを新しく購入した、との話もちらほら聞こえます。テレワークでかえって疲労を感じる方は、作業環境を見直してみることも必要かもしれません。

VDT作業における労働衛生管理のためのガイドライン

厚生労働省のガイドラインから「椅子」についての項目を抜粋します。かたい文章ですが、からだに合わない椅子での長時間の作業は、姿勢も悪くなり、心身の疲労の原因になるということです。

個人専用の椅子については、作業者の体形、好み等に合わせて適切に調整できるものがよ
い。
複数の作業者が交替で同一の椅子を使用する場合は、作業者一人一人が自分の体形に合っ
た高さに容易に調整できるよう、ワンタッチ式など調整が容易なものがよい。
床からの座面の高さの調整範囲は、大部分の作業者の体形に合わせることができるよう、
37cm~43cm程度の範囲で調整できることが望ましい。
ここでいう床から座面の高さとは、実際に座って、クッション材が2cm~3cm圧縮された状
態の座面の高さのことである。市販されている椅子の座面高の表示は、クッション材が圧縮
されていない外形表面の高さが一般的であるので注意を要する。
床から座面の高さの調整範囲は、広い程、多くの作業者に適応できるが、あまりに広い調
整範囲を有する椅子は大型になりがちで適当でないので、ここでは実用的な調整範囲を示し
た。
椅子の調整範囲で調整できない場合については、フットレストの利用等必要に応じて対応
することが望ましい。

座らない選択、「ウォーキングデスク」について

数年前、グーグル社でも採用されているとのことで、座らないで仕事をする「ウォーキングデスク」がちょっとした話題となりました。その元ネタは著者トム・ラスの『座らない!成果を出し続ける人の健康習慣』です。

スタンディングデスクや歩きながら仕事をするトレッドミルデスクなども海外では注目されています。運動不足解消や集中力が高まるなどの報告がされています。

一日の多くの時間を座りながら仕事をするようになったのは人類史上、それほど古いことではないでしょう。意外なことに地方から来た人が、東京の人はよく歩きますねといわれますが、車社会が一般化している地域ではさらに歩くことが少ないようです。

本書の中では健康とウェルビーイング(身体的・精神的・社会的な状態)を促進することの重要性について語られています。成果を出し続ける人の健康習慣として「食べる・動く・眠る」の三要素を同時に行うことを推奨しています。

「企業経営者はしばしば自らの健康を後回しにする」という事実には考えさせられました。経営者は良かれと思って長時間労働をしています。睡眠時間を削り、家庭との時間を犠牲にしています。(中略)要するに、毎日最高の状態で働きたいなら、日々の優先順位リストの最上位に「自分の健康」と書き込み必要があります。もちろん簡単ではありません。繁忙期であればなおさらです。しかし自分のためだけでなく他人のためにも、健康を優先しなければならないと肝に銘じておきましょう。(p7)

東洋医学の基本的な考え方

東洋医学の基本的な考え方に「未病を治す」というものがあります。「優れた人は病気になってから治療をするのではなく、病気になる前に予防するのであり、国を治めることでも騒乱が起きてからでなく未然に防ぐことが大切である」としています。

鍼灸では気血の滞りが病の原因とされるので、その滞りを解消し、疎通させることを一つの目的としています。端的にいえば、筋肉やファシア(筋膜)の凝りや滞り(瘀血)、重積を解消することで、血行を促進することにあります。

からだに対する鍼や灸の刺激は中枢神経に信号を送り、痛みを軽減させたり、自律神経やホルモン分泌を調整したりします。長期にわたるストレスは交感神経を興奮させ、常にからだも緊張した状態となります。

痛みや不快な症状がなければ、からだに対して無頓着な人も多く、鍼灸やマッサージで体がほぐれ、緊張がやわらいで初めて、からだの状態や疲労を自覚されることもよくみられます。

ウィズ・コロナの時代、疲労を溜めこまないことは、免疫力の防止にもつながります。

和本の図版にみる鍼灸の諸相

鍼灸の古典文献で身体(からだ)が描かれているのは経絡図や経穴の位置を示した図などの類で、鍼灸師の姿は肖像画ぐらいかもしれません。当時の人々の暮らし、日常生活が描かれているような資料から、鍼具や手技などについて分かることもあるのでなないかと思い、いくつか資料を探してみました。

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鉄斎流『按腹獨稽古』を読んで考えた|雨水分流って。。

「按腹獨稽古」の概略

最近の手技療法は百花繚乱というか、玉石混淆の様相を呈しており面白いことになっています。毎年のように新しい理論やテクニックが紹介されますが、よくよく考えてみるとその多くはすでに学んだ施術法や古典文献の中に共通する要素を見ることができます。

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鍼治療が片頭痛の予防に有効|TheBMJに掲載

イギリスの代表的な医学雑誌、BMJに片頭痛に対する鍼の有効性についての記事が掲載されました。概要を簡単にまとめました。
https://www.bmj.com/content/368/bmj.m697(BMJ誌2020年3月26日号)

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呼吸とコアユニット|自律神経の調整作用

呼吸の概論

「おぎゃー」と産声を上げてから息を引き取るまで、人は絶えず呼吸を続けることになります。まさに、「息(いき)」とは「生(いき)」ということです。

吸気は胸郭を広げて肺内に空気を取り入れます。吸息筋が収縮することで胸郭が拡大し、肺が伸長します。吸気運動では横隔膜や外肋間筋が働きます。呼気は胸郭を狭めて肺内の空気を体外にだします。呼吸運動をすることで肺胞のガス交換を行っています。

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ぽっこりお腹を改善|大腰筋と腹横筋のファシアリリース

女性にとって美容と痩身(ダイエット)は永遠のテーマ?

毎年、さまざまな方法が雑誌やテレビで紹介されますが、どれだけ効果があるのだろう。ダイエットもイベント化していますが、やはり運動と食事は基本であるに違いない。ここでは、姿勢からぽっこりお腹を考えてみましょう。

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家庭でできる温灸法|棒灸の操作法の紹介

棒灸について

お灸には幾つかの種類と方法があります。昔はコイン大のもぐさを皮膚に直接すえるやり方もありましたが、最近ではやけどをしないお灸法が好まれる傾向にあります。

せ○ね○灸などの台座灸もドラッグストアで購入が可能です。「お灸女子」「もぐさガール」なんていう言葉もあるそうですが、治療に来られる方の中にも自宅ですえている人も少なくないようです。今回は棒灸について紹介します。

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「アドレナル・ファティーグ(副腎疲労)」と「腎」の関係|コルチゾールの減少が腎虚の一因か

アドレナル・ファティーグ(副腎疲労)とは

ストレスや疲労による副腎機能の低下は、うつ症状にも似たさまざまな症状を招きますが、従来の検査をしても異常がないことが多い。なかなか疲れが取れない、なんとなく身体がスッキリしない、やる気が起こらない等の半健康状態にあります。

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足三里の世界

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図1.足三里のエコー画像

一般的にツボといわれるものは腧穴と称し、特に経絡上の腧穴を経穴と呼びます。経穴は正穴と奇穴に分類されます。経穴の総数は時代と共に多少の変化はありますが、現在、WHOでは361穴と定めています。特効穴や新穴などWHOに認定されていない腧穴も多くありますので、全体の総数は不明です。夜空の新たな星を命名するように、現在も新たな腧穴が生まれています。

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腰部脊柱管狭窄症と診断された症状に対する鍼灸の一症例

医療機関でレントゲンやCT、MRIなどの画像検査、診断により、椎間板ヘルニアとか腰部脊柱管狭窄症などの病名が付けられますが、痛みやしびれの症状が必ずしも画像による所見と一致するとは限りません。腰痛の8割近くが原因が不明という報告もされています。40歳を過ぎれば何らかの骨の変形が見られても不思議でもありません。教科書にあるようにきれいに骨が並んでいることの方がむしろ珍しいといえるでしょう。

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