スマホやパソコン作業の悪い姿勢は猫背になりやすい

猫背の人が増えている

子供の頃は姿勢が悪いと注意されますが、大人になってしまうとなかなか誰も指摘してくれません。来院される少なくない方が猫背や巻き肩の傾向にある印象です。

スマートフォンやパソコンの普及により、多くの人々が長時間これらのデバイスを使うことが猫背の主な要因の一つといわれますが、昔は猫背がなかったいえばそうでもなく、現代とは異なった生活環境や労働環境に起因すると考えられます。

昔の多くの人々は農作業や畑仕事に従事しており、これらの仕事は長時間かがんで作業することが多かったため、背中や首が曲がりやすくなり、猫背の原因となった可能性があります。

重い荷物を運ぶ、重労働の作業、長時間の立ち仕事、長時間の読書や細かい作業、暗い照明下での作業、椅子や座布団がないなどの状況での座位姿勢などは、姿勢が悪くなりやすく、猫背の要因となった可能性が示唆されます。

一方、現代人の猫背の要因としては、その生活スタイル、作業環境の変化があげられます。

デジタルデバイスの普及

スマートフォンやタブレットの普及により、多くの人が長時間これらのデバイスを使うようになり、画面を見るために首を前に出す猫背の姿勢が増えています。

長時間のデスクワーク

オフィスでの長時間のデスクワークやパソコン作業が増えており、姿勢が崩れやすくなっています。

運動不足

現代のライフスタイルでは運動不足の人が増えており、筋力の低下や姿勢の悪化につながっています。

適切な姿勢の保持の欠如

正しい姿勢の保持が指摘されているにも関わらず、多くの人が適切な姿勢を保つことに対する意識が低いため、猫背の傾向が強まっています。

猫背はなぜよくないか

猫背が増加していることは、健康問題や美容・見た目にも影響を与えており、正しい姿勢の維持や適切な運動、日常生活での姿勢の改善が重要です。

【健康的側面】

筋肉の弱化

猫背の姿勢は、背中や首の筋肉を弱め、本来の姿勢を維持するための筋力を低下させます。

呼吸の制限

正しい姿勢でないと、胸部を圧迫し、肺が十分に広がらず、呼吸が制限される可能性があります。

脊柱の変形

長期間にわたり続く猫背は、筋筋膜が硬化し脊柱の形に変化をもたらし、肩こりや頭痛、慢性的な背中の痛みや脊椎の問題を引き起こす可能性があります。

ストレートネック(頚椎前湾症)

猫背によって首のカーブが逆になり、頚椎の前湾が減少することで、ストレートネックが引き起こされます。首が前に出たような姿勢になり、首や肩の凝りの原因となります。

肩や背中の凝りや痛み

猫背によって、肩や背中の筋肉が過度に緊張してしまい、これが慢性的な凝りや痛みの原因となります。

頭痛

猫背による姿勢の悪化は、首の筋肉や神経に過剰な負担をかけ、頭痛を引き起こす可能性があります。

【美容的側面】

姿勢の美しさ

正しい姿勢は、体のラインやバランスを整え、美しさを引き出します。猫背は姿勢を崩し、見た目にもだらしなさや不格好さを与える要因となります。実年齢よりも老けて見えます。

顔の印象

猫背は首や顔の位置を下げるため、自信を持って顔を上げることが難しくなり、印象が悪くなる可能性があります。

胸部の崩れ

猫背は胸を前にせずに丸めるため、胸部が崩れやすく、バストの形や美しさにも影響を与える可能性があります。

首のシワやたる

猫背の状態が続くと、首にシワやたるみが生じやすくなり、老化のサインが目立つことがあります。

猫背の改善策

適切な姿勢の保持

デバイスを使う際には、背筋を伸ばし、首と背中を直線に保つように心掛けましょう。

定期的な休憩とストレッチ

長時間のデバイス使用後には、姿勢を正すためのストレッチや運動を行い、筋肉をほぐしてください。

適度な運動

日常的な運動や筋力トレーニングは、姿勢を改善し、筋力を強化するのに役立ちます。

適切なデバイスの位置

スクリーンの高さや角度を調整して、首や背中への負担を減らしましょう。

定期的なからだのメンテナンス

長年の生活環境や生活習慣を自分で変えるのはエネルギーが必要ですので、強い意志がないと挫折しがちです。定期的なからだのメンテナンスには、はりきゅうやマッサージがおすすめです。

これらの改善策を実行することで、スマートフォンやパソコンの利用に伴う姿勢の悪化や健康への影響を最小限に抑えることができるでしょう。