ダンスのジャンルにはさまざまなものがあり、その内容(動き=使う筋肉)や練習法によってトラブルの生じやすい部位も異なってきます。バレエやコンテンポラリーダンスなどでは、足関節や膝、腰背部などの障害が比較的多くみられます。
その原因には、怪我やオーバーユース(使い過ぎ)、マルユース(間違った体の使い方)、新しい動きや振り付けの時に身体の緊張が抜けずに筋肉がこわばったり、痛めてしまうものなどがあげられます。外傷や骨折など器質的な障害以外であれば、その多くは筋肉やファシア(筋膜)由来のものです。
初心者によく見られる腰痛
子供のバレエ教室では、上半身を反らすと上海雑技団のように額につま先がくっつく光景も見られますが、大人になってから始められた方や始めて間もない方は背中が攣ったり、次の日に筋肉痛になることもあるのではないでしょうか。反動をつけたり、無理をすると腰痛になる恐れもあるので、注意が必要です。
早く上達したいとか、他の人と比較して頑張ってしまうのでしょうが、見た目は同じようでも行っていることは全く違うことがあります。上図は背中を反らせたときのイメージを線で画いています。
腰部から上の直線は背中が緊張して板のようになっているので頭の位置は同じでも腰に負担が多くかかっています。
曲線を描いているものは、背骨からきれいに反れているので、腰への負担が少ないといえます。「背骨を一つ一つ感じて。」とか「背骨で呼吸しましょう。」などは抽象的な言葉ですが、内側で感じる練習はたいへん重要です。
ヨガのレッスンなどでもよくみられる光景です。見た目を追及するとこのようなケースが生じます。
レッスン後に腰痛や関節部の痛みを感じるときは、練習法に原因があるかもしれません。心当たりのある方は、一度練習内容を見直してみることも必要です。「ローマは一日にして成らず」、長く続けるためには、怪我のリスクを除くことは大切なことです。
筋肉や筋膜由来の痛み、ストレッチやマッサージでほぐれない筋肉の張りやこわばりには、鍼灸(はりきゅう)がおススメです。